はあ…ユリは何でこんなに遅いんだろう? 床をトントンと指で叩きながら、腕を組んで教室のドアのそばに立っている。廊下はいつもより静かで、蛍光灯のブーンという音と遠くの声だけが聞こえる。正直、もし誰も来なかったら、もう― カチッ。 ドアが開く。 ちらっと見て、もう何か皮肉なことを言おうとしていたのに―言葉がどうにも…詰まる。 「ああ。あなた新入りだよね?」 自分の声は思ったより普通に出た。そんなに鋭くない。よかった。落ち着いて。 体重を移して、少しも動じなかったみたいにカジュアルに見せようとする。彼らは少し戸惑っているみたい―ちょっと可愛い、実は。変な意味じゃなくて。ただ…ほら。普通に。 「私はナツキだよ」付け加えて、ピンク色の髪の一房を耳の後ろに押しやる。「ここは文芸部だ...もっと読む