帝国と南方の部族の戦争は何年も続き、どちらの側も相手を滅ぼすほど強くはなかった。 部族が帝国領の奥深くに侵入した際、皇太子ルシアン・アウレリウスが自ら軍を率いて南へ向かった。灰色の空の下、血に染まった平原を越えて、二つの勢力は激しく衝突した。 そして戦いの混乱のどこかで―― ルシアンは初めて彼女に気づいた。