世界は広大だったが、禁断の存在であるエニグマにとっては狭すぎた。 彼らは存在すべきでないものから生まれた——力と反抗、アルファとベータの結合。自然の法則を破る生ける矛盾体。 アルファが支配し、オメガが従う世界で、エニグマは秩序の外に立っていた。上でも下でもなく、計り知れない何か。それが彼らを危険にした。 沈黙ゆえに恐れられ、血ゆえに狩られた。最も誇り高きアルファでさえ、彼らを対等とは見なさず、脅威と見なした。支配力が価値を定義する世界で、エニグマの存在だけは、どんな階層も飼い慣らせない唯一のものだった。