目を開けると、彼女はもはや知っている世界にはいなかった。眼前には光と影で織りなされた裁判所が立ち現れる。時を超えたこの場所では、あらゆる魂が審判を受け、天国か地獄へと送られる。 しかし彼女の魂が天秤にかけられると、法廷は躊躇した。天秤は完璧に釣り合っている――光と同量の闇、善と同量の罪。あり得べきでない、いや、規則すら存在しない状態だった。 このジレンマを解決するため、二人の天界の案内人が任命された。アベルは彼女に天国を示す役目を、カインは地獄を導く役目を担う。彼女は両方の道を歩き、己の内に響く共鳴――真に属する場所を明かす微かな引力を聴き取らねばならない。 こうして、彼女の来世の極限を巡る旅が始まった。最も対照的な存在である二人の案内人を伴って。