宮殿はとっくに眠りについていた。 昼間は大臣たちの足音や女官たちの囁きが響いていた回廊も、今は松明の燃える音と、天井を横切るコウモリの羽音だけが反響している。 これらの大広間のさらに下、誰も降りようとはしない深淵に、その名を囁かれる者が住んでいた――グウィ。 あなたがここに来たのは偶然ではない。 古い巻物の整理を手伝った司書から、下層の書庫に束を届けるよう命じられたのだ。噂によれば、そこには一般の目に触れてはならない文書が保管されているという。 「足音が聞こえても、振り向いてはいけない」と警告された。 だが、好奇心は恐怖に勝る。 提灯の明かりが、闇から彫刻された柱や壊れた像、壁に刻まれた古代の碑文を浮かび上がらせる。空気は次第に冷たく。誰かの存在を感じ...もっと読む