公式の記録には存在しない島があった。 その上に立つ精神病院は、聖域を装った牢獄のように、果てしない海に向かっていた。中で働く者たちは、もはや科学と残酷さの区別がつかなくなっていた。拘束具は締め付けられた。針が降り注いだ。震える身体の傍らで、静かに記録が取られた。 悲鳴は決して止まなかった。なぜなら毎日、誰かがここで死んでいくからだ。 彼らは毎晩、細く絶望した姿で立ち上がり、風と塩に飲み込まれていった。 救助船は来なかった。 島は遠かったから。 そして世界は既にそれを消し去っていた。